2016/03/10
完成披露試写会フルレポート!
この度、3月7日(月)に有楽町朝日ホールにて、完成披露試写会が開催されました。636名の会場はほぼ満席。
まず最初に主催者を代表して、日本カタールパートナーズ代表でプロデューサーの益田祐美子が、「沢山の皆様の支援によりこの作品ができました。本当にありがとうございました。この映画を見て、復興の一筋の光を感じていただけたら幸いです。」とご挨拶。
次に、来賓の皆様を代表して日本・カタール友好協会 会長の三田敏雄様よりご挨拶をいただきました。
「女川の町を復活させるために皆さんが多大なる尽力をもって活動されていることをとらえたのがこの映画であります。それにあたっては、カタールから多大な支援をいただきました。震災後10日もたたないうちにカタールから、世界でもっとも早く1億ドル、120億円近い金額を義援金として差し伸べるというニュースが伝わってまいりました。それをいかに有効に使うかということで様々な方々が努力し、議論し、そして最初に作ったのが女川の『マスカー』であります。その『マスカー』が女川の発展の第一の光して輝き、着々と復興に目指して進んでいる姿があります。この作品を先に見させていただきましたが、哀しみを心に秘めながら、未来を目指す気持ちを忘れずに進んでいる住民たちの姿に、逆に勇気を与えられる作品となっています。これからも是非女川の方達がしっかりと頑張って未来に向かって進んでいかれることを心からお祈りし、日本とカタールの友好関係がますます深まるよう祈念して挨拶とさせていただきます。」
そして舞台挨拶へ。
乾弘明監督、女川町・出演者の阿部淳(あつし)さん、石森洋悦(ようえつ)さん、エンディングテーマ『光-女川リミックス』を歌った宮城県蔵王町在住シンガーソングライター幹mikiさんが登壇しました。乾監督をはじめとした皆さんが舞台上に現れるやいなや、客席からの温かい拍手で会場が満たされました。
乾監督は、「最初はマスカーを中心に企画を立ち上げたのですが、石森さんから女川は今若い人たちがすごいんです、マスカーはもう過去のこと、今がんばっている若い人たちをぜひ撮ってほしいと言われ、すぐに企画修正して映画作りに入っていきました」と挨拶。
監督に続いて、阿部さんが「私はたまたまこの映画に出演させていただいていますが、女川町には他に頑張っている人たちがたくさんいます。そんな多くの人たちに支えられながらこの映画が出来上がったのだと思います。ありがとうございました。」と挨拶。
続いて石森さんからは「この映画は、カタールから支援を受けた施設『マスカー』を中心に撮ろうと決まった企画ですが、女川の若い人達は本当に頑張っている。『マスカ―』だけではなく若い人達の姿を残そうと思いました。私は脇役ででています(笑)どうぞ、楽しんでいってください。」と挨拶。
そして幹mikiさんが「震災直後から沿岸部へ歌を歌い届けてきました。これからも被災地へ歌を歌い届けていきたと思っています。本日は最後まで女川の姿をご覧ください」と挨拶を終えました。
震災から今年で丸5年、それぞれの思いを語る質疑応答へ。
MC:「あの日」からもうすぐ5年が経ち、女川町は復興が進んでいる町だと言われますが、あの震災を振り返って今の心境は?
阿部さん「震災から5年、何とか観光客の皆さんも来ていただけるようになりましたが、住宅面での町の復興は進んでおらず、仮設住宅で暮らしている人たちが大勢いる現状です。気持ちの面では、一生懸命前を向いて頑張っていますが、いつ心が折れるかもしれず、こういった節目の中で区切りをつけていくのかな思います。」
石森さん「女川は各紙マスコミや報道では復興のトップランナーという報道が多いですが、地元ローカル紙に出た数字によりますと、女川町の進捗率は27.3パーセントでした。宮城県の中でも極めて低い進捗率にも拘わらず、マスコミがなぜ女川はトップランナーで走っていると報道するのか、それは女川の若い人たちが本当にすごいからです。女川はまだまだですけれども、確実に前に進んでいますので、是非ご来場の皆様、女川に来てみてください。宜しくお願いします。」
MC:復興の第一歩になったカタールからの支援は女川町にとってどのような意味があったのでしょうか?
石森さん「私たち生き残ったものとしては、町を何とかしなければいけないという思いがありました。でも、その一歩をどのように踏み出したらよいか全くわからない状況でした。そんな時にカタールフレンド基金が私たちに『マスカー』を作ってくれました。本当に何もないところに巨大な建物がぽつんと建ち、『マスカ―』が今の女川の第一歩でした。そういう意味でカタールの皆様には心から感謝してもし尽くせません。本日は改めてこの場でお礼をさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。」
カタール大使も来賓としてお見えになりました!左から、ビラール大使、アルズィヤラ参事官、アルカテル三等書記官
そして最後の質問へ
MC:3月11日を迎えるという時期に、この映画が完成して上映されることについてはどんなお気持ちですか?
阿部さん「(震災から)5年の節目といわれるが、自分にとっては5年だからどうということはなく、目の前のことを一生懸命やるだけ。まだまだ通過点に過ぎず、前を見ていないと倒れそうになってしまう。本当に心から笑える時が来るまで10年だろうが20年だろうが走っていきたいと思います。」
石森さん「この映画が子供たちの教科書となって、数十年たって先輩たちがあの時何をしたかということを映画で見てもらえるのが嬉しいです。5年というのは次のステージへの第一歩になります。」
そうして質疑応答が終わると、ステージにはかわいらしいゲストが登場!
女川のサンマで毎年秋にサンマ祭りをしている東京都板橋区の子どもたち、長谷川諒(りょう)くん、小林咲桜(さらら)さんときららさん姉妹、、朝倉彪(ひょう)くんが花束を持って登場し、登壇者へ花束贈呈を行いました。
客席に降りてサンマパネルをもって記念撮影しました。客席のお客様も、映画特製エコバックをもってフォトセッションに参加いただきました!
そして、本編上映。涙をすする音があちこちで聞こえるような…。
73分の本編の終わりは、エンドロール時に流れる幹mikiさんの『光-女川リミックス』。この映画のために編曲・再レコーディングした楽曲です。
そして歌が進んでいくと…途中からなんと幹mikiさんが舞台に登場!
映画に合わせて舞台袖で生で歌っていたのです!
これはご来場いただいた皆様へのサプライズ。舞台上で歌う幹mikiさんに、間奏時に既に拍手が起こっていました。幹mikiさんの圧倒的な歌声かつそれぞれの心に語りかけるような生歌に涙する人が続出しました。
幹mikiさん歌い終わり、本編も終了すると、最後は登壇者全員ステージに戻り、客席からの大きな拍手で完成披露試写会は終了いたしました。
終わってからのロビーもお客様の熱気に包まれました。女川物産展も大盛況!
このエネルギーを公開に向けてこの映画のことを伝えていきたいと思います。
ご来場いただきました皆様、本当にどうもありがとうございました!
(撮影:冨樂和也)